これまでの記事は、海外・台湾一人旅が初めての方に向けて、どうやったら海外一人旅デビューが出来るかをメインに書いて来ましたが、今回からは台湾や香港での現地情報も書いていこうと思います。
まず第1弾として、台湾のオススメのゲストハウスを紹介していこうと思います。
僕はこれまで、台湾滞在中に一度もホテルに泊まったことがなくて、すべてゲストハウスに泊まっています。ゲストハウスって何?って方は、過去にゲストハウスについて書いていますので、併せてお読みください!
立地、設備、価格はいたって普通…。
この宿があるのは台北市北部の北投(ベイトウ)地区で、台北駅(台北中心部)に出るのに地下鉄で片道約25分かかります。
北投駅を降りた際に、日によっては硫黄の臭いが漂っていることがあります。
北投地区には温泉が沢山あり、この宿から歩いて数分の所に源泉の公衆浴場もあります。温泉が好きな方にはなかなかいい場所だと思います。
設備はオシャレなゲストハウスが増えている台北ではいたって普通ですし、むしろ部屋によっては写真のように2段ベッドの上段にカーテンがないので、ボックス型のベッドが増えている今、やや設備的には劣っているかもしれません。
また、エレベーターがないので2階から5階までの客室への移動に階段を使う必要がありますが、荷物用のリフトはあります。実は、荷物用リフトのないゲストハウスは台北には意外に多いので、この点はありがたいです!
無料の朝食もドリンクとトーストのみで、台北中心部では朝食バイキング付きで500元の宿もありますし、朝食のもの足りなさも否めません。
また、宿泊料金が平日600元、休日700元なのですが、これは昨今の台北のゲストハウス相場ではやや高い部類に入ってしまいます。
2014年にBooking.com(ブッキングドットコム)で調べていた当時は、「台北市」のみ指定して検索して、安い料金順に並べなおしたら、1ページ目に表示されていた途中台北も、今では2ページ目後半以降に表示されるようになりました。
それだけ、ここ数年で台北にゲストハウスが増え、しかも市内中心部なのに低価格の所が増えてきたのです。
設備や価格だけ見ると、別にオススメするほどでもないんじゃないの?って感じられると思うのですが、この宿の魅力は値段、立地、設備からは伝わりにくいのでブログの記事にしてオススメしています。
台北中心部から遠くても、ちょっと朝食が寂しくても、値段も安い方ではないけれど、それでも泊まりたくなる魅力がこの宿にはあるのです。
適度な距離感を持って接してくれるスタッフ達
冒頭のポイントでも書いたのですが、この宿の魅力を作り出している大きな要因はオーナーとスタッフの人柄によるものだと思います。
1階の共有スペース(リビング)で、僕は本を読んだりして過ごすことが多いのですが、とにかくスタッフが往来するゲストへ声をよく掛けます。これは、他のゲストハウスではなかなか目にしない光景です。
誰かが持ってきたお土産や食べ物があれば、勧めてくれるし、宿に帰ってきたゲストには「今日どこ行ったの?」っていう感じで声をかけたり、でも一人で静かに過ごしたい人には挨拶にとどめるなど、交流を取りたい人には積極的に関わり、静かにしたい人には距離感を保っている印象を受けます。
毎回というわけじゃないのですが、自然発生的に起こる夕食会やお茶会などがあったら、一人でいたら積極的に参加を勧めてくれますし、かといって強要もしません。そういう気配りのできるスタッフが多いのがここの特徴だと思います。
もちろんスタッフは仕事中なので、忙しい時はここに書いてあるような気配りができないと思います。だから宿やスタッフに交流を期待されすぎても困るのですが、スタッフとゲスト、そしてゲスト同士の距離感の近さや空気感は感じてもらえると思います。
【2018年冬追記】ただし、この素敵なスタッフたちは2017年中にほぼ全員が辞めてしまい、現在はワーホリ等で世界中に飛び立って行き、それぞれの地で新しい生活を送っているようです。
2018年に新しいスタッフになってから一度宿泊したのですが、以前のようにゲストに声をかけて気配りするようなこともなく、僕が好きだった「オンマイウェイ台北」はもはや過去のものとなってしまいました。
残念なことではありますが、時間の流れと人が関わることなんでどうしようもないですね…。
ほとんどのゲストハウスで宿泊客とスタッフの交流はないので、普通といえば普通なんですが、多くのリピーターが求めている「温かさ」を知るものとしては、新人スタッフのホスピタリティのなさに残念さをどうしても感じてしまいます。
ただし、価格競争が激しく、清掃が至らない台北のゲストハウスが増えている中で、ここは清掃はかなり行き届いており、十分快適に過ごせることはしっかり言っておかなきゃいけません。
この宿の「空気感」は他のゲストハウスにはない
なので、ここから下の記事は2017年までのオンマイウェイ台北についての回想録となります…。ただ、僕はこの宿を通じて、本当に多くの事を経験させてもらったので語らせて下さい。
宿で日本から来た方とも何回か一緒になる事がありましたが、皆さん共通しておっしゃることが「なんかわからんけど、居心地が良くて、共有スペースに長居してしまう」って事なんです。
決してオシャレな設備じゃないけど、清潔さはあって、どこか自宅のような、学生時代の部室のような空気感があるんですね。その影響もあってか、ゲスト同士の交流も多い気がします。
僕に関して言えば、途中台北では沢山の素敵な出会いがあって、ゲストと一緒にご飯を食べたり、散歩したり、明け方まで雑談だけじゃなくって、仕事や生き方の事まで語ったりと、本当に沢山のいい経験をさせてもらえました。
その後も連絡を取り合ったり、香港やマカオ、台湾南部(高雄・屏東)、日本(大阪)で再会したりと、「台湾で出会った人達と、他の国で遊ぶ」という新しい旅のスタイルが得られました
もちろん、宿でどんな人と一緒になるかはその時の運次第ですし、自分の積極性次第とも言えます。また、こんなこともありました。
たまたま深夜にドライヤーを使うために地下の共有スペースに行ったところ、その時にやっていた「人狼」に誘われて、そのままゲームやらおしゃべりやらで朝まで遊んだという経験があります。
僕がその日にドライヤーを使わなかったら、その人たちとは一生で出会うことがなかったわけで、そのうちの1人の香港人の子とはその後、香港で飲茶に行ったり、街歩きしたりとかなり仲良くなりました。
日本のアニメが好きな台湾の大学生、大手メーカーに勤めているけど転職に迷っている台湾のサラリーマン、世界中を旅したい香港の大学生、ワーホリで稼いだら東南アジアで過ごすスタイルの韓国の旅人…。
今も連絡が続いている人もいれば、時の流れで途切れてしまう人もいますが、このように自分が積極的に心を開いて、交流を持とうとすれば、かけがえのない経験ができるのが一人旅のいい所です。
そして、旅人やスタッフとの交流、共有スペースの心地よい空気感においては、台湾で十数件のゲストハウスに泊まりましたが、「途中台北」を超えるところには出会っていません。
宿泊サイトに載っている価格や立地、設備の情報からではわからないこの「空気感」こそ最大の魅力で、多くのリピーターが生まれている理由かも知れません。
日本人だけじゃなくて、香港人や韓国人のリピーターも多いです!一人旅だけど、現地の人との交流を持ってみたいと思う方にはオススメできる宿です。
ただし、前述したとおり、新しい出会いを作れるかどうかは、その時のゲストの顔ぶれの運次第、自分の行動次第でもあります(^^)
オンマイウェイ台北の魅力はやや減ってしまったのですが、今でもそのホスピタリティが生きているのが花蓮にあるオンマイウェイ花蓮(途中花蓮)だと思います。
また、2019年には初めての海外展開として、オンマイウェイ京都清水がオープン予定で、創業期の人達が立ち上げに関わっているので、きっとオンマイウェイ台北のマインドを持った暖かさの溢れる宿になってくれると期待しています。