2018年のタピオカブーム以来、何かと日本でも注目度が高まっている「台湾」と台湾の食べ物。
最近は「台湾メロンパン」とかいう、台湾には存在しない食べ物も売られており(正しくは「香港パイナップルパン」だと思います)、しかもそれが結構売れているようですが(苦笑)、それだけ日本人の「台湾」の食べ物の関心度が高まっているのが現状だと思います。
それだけに、ニセモノの台湾料理じゃなくて本物の台湾料理を食べたい!っていう想いが僕の中で強まっていて、コロナ禍で海外旅行に行けない今、日本国内で食べられる本物の台湾の味を探し、また紹介したいなと思っております。
もちろん、僕の実食レビュー付きで!
その第一弾として、僕が以前紹介した「客家擂茶」で御縁があった、神戸新在家にある「天一製菓」の台湾菓子・點心についてご紹介したいと思います。
神戸天一製菓への行き方・アクセス
神戸天一製菓へは阪神電車を利用すると便利です。
阪神本線「新在家」駅下車後、高架沿いを三宮方面に歩いていけば、数分もかからずに到着します。
お店の入り口は線路の下(高架下)にあります。上の写真が店舗の外観です。
神戸天一製菓取り扱い商品・店内の紹介
お店自体は小さいのですが、奥に厨房が見えており、まさにここで點心やお菓子が作られています。
台湾人のご主人と中国人の奥さんのお二人でやられているので、本場の味を楽しむことが出来ます。
僕が訪れた時は2月中旬のバレンタインと春節(中華圏のお正月)が重なったシーズンだったので、シーズン限定のお菓子も見ることができました。上の写真中段に「となりの人間国宝」ステッカーもありますね!
日本ではあまり見かけない、台中名物の「太陽餅」もあります。
また、写真左側にあるカードは月餅のラインナップ紹介で4種類の味があります。
台湾のお土産でもよく見る「沙芝麻(沙其馬と書くことも)」や
長崎中華街でも見かける「よりより」もあります!
また、お菓子の他にも冷凍で肉まんや餃子などの点心も売っています。
肉まんなどの「中華まん」系は店頭でアツアツのを食べる事ができます。
神戸天一製菓の商品紹介と読み方・実食レビュー
さて、今回は5種類のお菓子と角煮バーガー(角煮まん)を食べたのですが、全般的な感想をいうと、とても素朴な味で、言葉で表すと「おばあちゃんが家で作ってくれるお菓子」のような味です。
天一製菓のお菓子は、SNS映えするような見た目の派手さもなく、ガツンと来るような印象的な味でもなく、本当に素材の味を素直に生かしている「王道」のお菓子です。人によっては地味すぎると感じるかも知れません。
でも、現代の工場物の食べ物が溢れる中で、こういったおふくろの味とでも言いましょうか、「素」の味のお菓子って本当になくなったと思うんです。
丁寧に作った食べ物になかなか出会えなくなった時代に、こういった素朴なお菓子はすごく貴重だと個人的に思うので、そういった意味では本物の台湾の手作りの味って言えると思います。
台湾のお土産屋で買ったのは、香料やら添加物もあって、どこかしらケミカルな感じも否めなかったので…。
今回食べた中では「麻花」と「フルーツ月餅」が特におススメです!みなさんもいろいろ食べてみて、自分のお気に入りのお菓子を見つけて下さいね。
太陽餅
中国語での読み方は「タイヤンビン(Tàiyáng bǐng)」で、台湾台中名物でご存知の方も多いと思います。僕も知ってはいるものの、まだ台湾では食べたことがありませんでした。
しっかりとした厚めの何層にもなったパイ生地に、とろっとしているけどシャリシャリ食感のバター餡が入っています。時々薫るハチミツもいいアクセントで、見た目以上にずっしりとしてて食べ応えのある「パイ」です。
沙芝麻
中国語での読み方は「シャージーマ(shā zhīma)」となりますが、「サーチーマ」って発音した方が通じやすい気もします。ちなみに「芝麻」は日本語で「胡麻」の意味です。
小麦でできた細長い「揚げ菓子」のようなもの短く刻んで、シロップで固めています。
外側はシロップを吸っていてややしっとり、内側は揚げたサクサクさが残っていて、2つの食感と風味があり、全体的にスリゴマの風味もしっかり感じられます。
そして、一緒に固められているレーズンやナッツの味がいいアクセントになります。見た感じ脂っこい感じもしますが、食べてみれば意外とサラッとペロッといただけます。
麻花(よりより・中華かりんとう)
中国語での読み方は「マアファー(máhuā)」です。澎湖産のものを台湾土産でよく見かけます。
生地をねじって揚げたのみのシンプルなお菓子なのですが、めちゃくちゃ美味しいです。これは本当におススメ!
サクサクした食感がまず楽しくて、そして見た目ほどの固さもなくていい感じで口の中で崩れる感じ。そして小麦の味をしっかり感じられます。
ホント止まらなくなるので要注意です(笑)
月餅
中国語での読み方は「ユエビン(yuèbǐng)」となります。
餅つきしているウサギの柄のものは「フルーツ月餅」で、食べた瞬間はパイナップルケーキに近い味の印象を受けましたが、レーズンやアプリコットも入っているので、フルーツグラノーラを食べている時に感じるような、ミックスドライフルーツを食べているような印象を受けました。
月餅なので生地はモチモチ、しっとりしているので「フルーツパウンドケーキ」を食べているような感覚になりました。
「我愛你(I love you)」と書かれているのは、木の実月餅のバレンタイン特別バージョンです。普段は「愛」のデザインのみ売っています。
こちらもナッツの風味が濃厚で、もっちりした月餅の生地と相まって、フィナンシェを食べているような感じになりました。
僕がこの2つの月餅を食べた印象としては、中華菓子というかは洋菓子に近い感覚を受けました。
伝統的な小豆餡の月餅をまだ食べたことがないので、なんとも言えないのですが、こちらのフルーツ月餅や木の実月餅はケーキのような味であり食感というのが僕の感想です。
椰子塔(ココナッツタルト)
中国語での読み方は「イエヅータァ(yēzi tǎ)」となります。「塔」は「タルト」の意味です。英語の音に漢字を当てたものだと思います。
ココナッツのシャリシャリ食感が残っているバター餡はしっとりかつ濃厚な味ですが、意外にさっぱりしています。ココナッツ餡よりも、外側のクッキー生地の味の方がしっかり感じられました。
割包(角煮バーガー・角煮まん)
中国語での読み方は「グーバオ(Gē bāo)」。角煮だけじゃなくて、このフワフワの生地で具材を包んだものを「割包」と言います。「中華バーガー」って訳されることも多いです。
「天一製菓」という名前ではありますが、もちろん角煮は自家製で、写真を見ていただければお分かりになると思うのですが、赤身率が非常に高いんです。
なので食べ応えが脂身の多い角煮よりも多くて、しっとりして味がしゅんでいる角煮は本当においしいです!
肉まんの皮とはまた違った、フワフワで小麦の味も楽しめる生地も美味しく、満足度のとても高い一品です。
以上、「天一製菓」の紹介でした!今回紹介しきれなかった菓子やまんじゅうも、また食べる機会があれば追記していきたいと思います。
台湾に特に興味がなくても、素材の味を生かした素朴なお菓子を食べたい方には非常におススメです。
あべのハルカス近鉄百貨店本店の「神農生活」でも天一製菓のお菓子は買えます!
さて、天一製菓のお菓子とその魅力をお伝えしたのですが、「美味しそうなのはわかったけど、新在家まで行くのはちょっと…」って感じる方も多いと思います。
実は、2021年4月にあべのハルカス近鉄百貨店にオープンした「神農生活」でも天一製菓のお菓子を買うことは出来るんです!
新在家の本店よりは品ぞろえは限られて、百貨店価格でちょっとだけ高くなってますが、大阪市内で気軽に買うことができますので、まずは神農生活にてお試しで食べていただくことをおススメします!
天一のお菓子は食べ物や雑貨を扱っている「神農生活」ではなく、「茶市場」の売り場に置いてあります。台湾茶のお茶請けとしてもいいと思うので、天一のお菓子を日本での台湾を感じる生活に是非取り入れてみて下さいね。