ゲストハウス滞在の醍醐味の一つに「他の旅行者との交流」があります。
しかし、僕は飲み会とかでも、なかなか人に気軽に声をかけることができなかったり、「話の輪に入りたいな…」って思っても尻込みしてしまうことが多いです。
大学院時代に虐めにあったことや、基本的には一人を好むことなども影響しているかもしれませんが、一方で「人見知り」と「積極性のなさの正当化」は紙一重だと思う事もあります(笑)。
そんな僕でも旅人とゲストハウスで交流したい思いはあります。
過去に人間関係で苦い思いをしてトラウマがある人は、新しい人の輪に飛び込む時に昔の事がフラッシュバックしがちですが、相手がどんな人かは話してみなきゃわかりませんし、今、目の前にいる人に、また馬鹿にされるとか、悪く思われるかも…とか考えても本当は仕方ないのです。言うは易く行うは難しですが…。
そして、勇気をもって話かけて話の輪の中に入った結果、その後も連絡を取り合ったり、一緒に遊びに行くような仲間を僕は台湾の旅中に得ることが出来たので、結果はどうなるか別として、自分から一歩を踏み出すのは大切だと考えます。
まずは肩慣らしに宿のスタッフに近所のご飯のオススメを聞いてみる
いきなり他の宿泊客に話しかけるのに抵抗があるのなら、まずは宿のスタッフに話しかけてみるのがオススメです。
ただし、相手は仕事中なので、雑談をするというよりは宿の近所のオススメのご飯を聞く等のちょっとしたコミュニケーションをとるのがいいと思います。
事務的な会話で終わるかもしれませんが、スタッフと一言二言交わすだけでも初めて泊まる宿での滞在の緊張感はほぐれると思いますし、そこから他の宿泊客を巻き込んでおしゃべりの輪が広がる事も僕は経験してきました。
特に宿近辺のおいしいお店に関しては、自分で調べるよりも宿の人の方がよく知っているとものですし、外国語でのコミュニケーションの練習がてら話しかけてみるのは、あらゆる面で旅のプラスになると思います!
「お菓子食べますか?」のアイスブレイク力はすごい
これは日本での日常生活でもそうだと思うのですが、子供だけじゃなくて、大人でも「お菓子」はその場の雰囲気を和ます有効なアイテムになると思います。
そのお菓子に関する話題で盛り上がるかもしれませんし、「日本から持ってきたんですが、あなたはどこから来たのですか?」なんて話もしやすいと思います。
雑談したいという目的で人に声をかけるのに苦手意識があっても、「おかしを渡したい」っていう目的があれば人に声をかける心理的障壁は少しは下がると思うんです。
台湾には日本から輸入されたお菓子も多く売っているので、明治や森永、ロッテなどのメジャーどころよりも、関西人の僕は粟おこしや満月ポン、鶯ボールなどのローカル色の強いお菓子を持って行くことが多いです。
あと、抹茶味は台湾でも香港でも特に女の子に喜ばれます!ちょっとした豆知識です(笑)。
折り鶴を一緒に折ってプレゼントする
僕のこれまでの経験ですが、折り鶴を見た事のある台湾人・香港人は多いものの、自分で作ったことのある人はまだまだ少ないようで、一緒に作ってみると結構盛り上がるし、あらかじめ折ったものをプレゼントして、こちらの予想以上に喜んでくれて嬉しかった思い出もあります。
中でも、折り紙のトーヨーから出ている国旗の柄の折り鶴は特にプレゼントした時の反応が良かったです。世界の25か国の国旗をモチーフにしており、特にアジア圏の国旗は充実しています。
また一緒に折り鶴を作る時ですが、英語が喋れないとか、中国語がわからないなどの言葉の心配は不要です。
Fold like this (このように折ります)
then… (それから)
Yes, No, Good! (はい、違います、いい感じ!)
このくらいの言葉と、あとはフェイス to フェイスのコミュニケーションで楽しく折る事ができると思います。
特に、お互いの言葉がわからないのにジェスチャーと表情だけでコミュニケーションが出来た時は、覚えた外国語が通じた時よりも嬉しいものです(笑)。
そんなコミュニケーションを楽しみながらも、日本人らしさもある折り鶴で、ぐっと旅人同士の心も近づくはずです!!
ところで、そもそも「人見知り」って何?
僕は飲み会で初対面の人と話している時に、いつも僕は「人付き合いが苦手なんですよ」って決まり文句のように言っていたのですが、その時に「本当に人付き合いが苦手なんですか?今、普通に初対面の私と喋れてるじゃないですか?」って言われたことがあります。
その時にふと気づいたのですが、「あなたは人見知りですよね」なんてことはあまり他人からは言われません。
基本的には「人見知り」っていうのは自己評価であり、相対的なものだと僕は思います。
例えば、年収1000万円あっても、年収1億円が目標の人にとっては「稼ぎが少ない」って感じるでしょうし、僕のように現時点で職がない人間にとっては年収300万円でも十分に感じます。おそらく「人見知り」もそんなもんだと思うのです。
「人見知り」には明確な基準がないんです。なので、なぜ「人見知り」って自分にレッテルを貼ってしまうのか?を考えた方がいいと思うのです。
その背景に、自分は何に対して壁を作っているのか?どんなコミュニケーションを理想としているか?そもそもそれは現実的なのか?などを考えることが大事だと思います。
他人とコミュニケーションが取れなくてもゲストハウスは利用できる
ゲストハウスにはいろんな人が泊っています。全員が全員、旅人とのコミュニケーションを求めているわけではありません。
音楽を聴きながらPCを触っている西洋人は、台湾のゲストハウスでよく見る光景です。彼らは自分の作業に徹しており、他人とのコミュニケーションには重きを置いていません。
僕がそうなのですが、自分が人見知りだと感じていて、その上でゲストハウスを利用する事を心配している人は、きっと旅先で新しい出会いが欲しい人なんだと思います。
ひょっとしたら、日本には友達がいなくて寂しい思いをよくしているのかも知れません。
以前の僕は、旅先で出会いをガツガツ求めすぎてたところがありました。
仲良くなりたくて、連絡先を交換したくて、名刺を作って配っていた時もありましたが、今思えば、相手からしたら迷惑極まりなかったと感じます。押し売りをされているようなもんですから、相手の気持ちを考えていなかった自分がダメだったなぁと感じます。
なので、当たり前の事なのですが、自分が出会いが欲しくても、いろんな人とコミュニケーションがとりたくても、相手はそうじゃない事は多々あるという事をわかっておかなきゃいけません。
コミュニケーションをする上で、相手の立場を尊重することは大事な事です。
僕は正直、日本に友達がいなくて海外で新しい出会いを求めてしまっていたのですが、そもそも日本でも人間関係を築けないのに、海外でうまく行くとも思えません。単なる逃避でしかなかったのです。
なので、人見知りとゲストハウス利用には何の関連性もなければ、人見知りでもゲストハウスは使えます。
本当の問題は「人見知り」にあるんじゃなくて、ただ単に他の旅人とコミュニケーションが取りたいけど、上手くできるかな?という点なのかなと僕は感じます。
また、自分自身の日本でのコミュニケーションに問題はないのか?をこの機会に振り返ってみるのもいいかもしれません。
旅人との出会いは「運」と「自分」次第
ちなみに、僕はこれまで台湾に合計で100泊くらいしていますが、全てがゲストハウスです。
チェックイン時に宿のスタッフと二言三言交わして、後は誰とも話さない時もあれば、他の宿泊客と一緒に夜通し語ったり、一緒にご飯を食べに行ったりすることもあります。こればっかりは運次第、自分次第だと思います。
人との交流を求めているゲストと出会わない限り、旅人同士の交流が生まれませんし、自分から声をかければ何か生まれていたかもしれないのに、躊躇してその機会を逃してしまったこともあると思います。
先程、相手は交流を求めているかどうかわからないと書きましたが、そこは声をかけないとわかりませんから、そこの積極性は必要だと思いますが、同時に相手の気持ちを尊重して、適切な距離を保つのも大事なことだと思います。
ちなみに僕は、旅先以外では日本にいる時には、年間で2~3人としか会う事はありません。
相当な引きこもりで社会との接点がない人間ですが、これを読んでいる皆さんは、自分の事を「人見知り」だと感じていても、僕よりは友人がいて、日頃から人とコミュニケーションを取っているのではないかと思います。
自分の事を人見知りだと思っている人は、何かしら新たな人とのコミュニケーションを求めている方だと思います。
なので、他の宿泊客とコミュニケーションを取りたいのなら積極的に声をかけるべきです。
全部が全部ではないでしょうが、相手もコミュニケーションを求めているかも知れません。こればっかりは声をかけてみないとわからないので、やはり自分から動くしかないんだと思います。