コロナ禍で海外旅行に行けなくなって丸2年。海外が恋しくなるのは僕だけではないようで、大阪生野のコリアンタウンの賑わいをみていると、やっぱりみんな海外に行きたいんやなって思います。
「台湾グルメ」に関しては、コロナ以降の2年間で台湾フードのお店も増えている気がしますし、カルディやコンビニでも「台湾」と名のついた食べ物は沢山みられるようになった気がします。
日本でも「台湾」が注目されるのは嬉しい反面、中には「台湾カステラ風ケーキ」なる、もはや何の食べ物かわからないものや、本来は香港の茶餐廳メニューである「菠蘿油」が「台湾風メロンパン」と紹介されたりと、本当の台湾グルメじゃないフードが出回っているのも事実です。
そんな中、2022年の4月に「まるで台湾!」な日本のスポットが紹介された「おでかけ台湾 in 東京・京阪神」が発売されました。
今回ご紹介する「タピオカセンター(珍珠中心)」もこの本の中で紹介されているのですが、本で紹介されているのは改装前のドリンクスタンドとしてなので、現在お店が推している台湾屋台メニューの「鹹酥雞」は本では紹介されていないんです。
ですので、この記事では新メニューの「鹹酥雞」を中心にご紹介したいと思います。
鹹酥雞もタピオカミルクティーも実際に食べ飲みした僕からすれば、ここの味は「まるで台湾!」ではなく「もはや台湾!」です!
自信をもって台湾ロスの方におススメできるお店ですので、写真を交えて店内の雰囲気やメニューについてご紹介しますね。
タピオカセンター(珍珠中心)へのアクセス・行き方
タピオカセンターは通天閣の目と鼻の先にあるのですが、初回だと意外とわかりにくい場所にあるので、行き方のヒントを書いておきます。
JR・南海電車「新今宮駅」/大阪メトロ御堂筋線・堺筋線「動物園前駅」からの行き方
上にグーグルマップを載せているので問題なく行けると思うのですが、通天閣を目印に進んで行き、通天閣へ向けて真っすぐ伸びる一本道から行くのがわかりやすいと思います。
そして、狭い路地に進んでいきます。
大きな「マッサージ」の看板に戸惑うかもしれませんが、タピオカセンターは本格台湾屋台グルメとタピオカが味わえるお店ですので、路地の雰囲気にビビらずに行ってください(笑)
外観はこんな感じです。
大阪メトロ堺筋線「恵美須町駅」/通天閣からの行き方
こちらからの方が、ちょっとだけわかりやすいです。
通天閣から南下(スパワールド方面)していくと、進行方向右手にタピオカセンターの看板がありますので、それが見えたら左折、もしくは看板の地図に従って向かってください。
まずは目から「台湾屋台」を楽しむ
「タピオカセンター」は名前の通り、元々はタピオカミルクティーのみを扱うお店でした。ちょうど2019年のタピオカブームの年にオープンされたようです。
その後、日本の台湾料理店ではほとんど取り扱いのなかった、「大腸包小腸」を提供するようになってから、日本の台湾好きの間でも話題になるお店として知られるようになってきました。
そして、2022年4月に店内の改装を行い、大阪で本格台湾屋台グルメが味わえるお店としてリニューアルしたのです。
さて、タピオカセンターの料理を紹介する前に、店内の様子をご紹介しましょう。
まず、店に入ってすぐ目に入るのがこちらの光景。
提灯や台湾で用いられる「繁体字」を使ったメニューを見れば、海外旅行に行ったことがない方でも異国情緒を感じると思います。
さらに、台湾好きの方なら「高雄國中」の通学かばんや、台湾銀行の春聯とかマニアックなチョイスに思わずにやけてしまうでしょう(笑)
調理場、注文カウンターの上には、台湾の夜市にありそうな看板が!
冷蔵ケースの中には鹹酥雞の具材や台湾ビール、台湾で売られているジュースも並べられており、台湾旅行に行った方ならきっと嬉しくなると思います。
イートインできる店内の壁には、台湾でお馴染みのエコバック(漁師バッグ)や、街中で見かける道路標識や、台北メトロ淡水信義線をモチーフにした路線図なんかも貼ってあります。
そして、個人的に一番ツボだったのは、台湾のレストランやお店で頻繁に見かける防犯カメラの表示です。
日本のように「防犯カメラ設置中」っていう直接表現は少なくて、こちらに書いてある中国語の意味は「録画中だからニッコリしてね」って感じの意味なんです!
個人的に好きな標識を台湾から持ってきて飾っていたので、これを見て僕はだいぶテンションあがりました。
イチオシメニュー「鹹酥雞(シェンスーチー)」はまさしく台湾で食べた味!
タピオカセンターは台湾屋台で食べられる軽食と、タピオカドリンクを中心に様々なメニューがあるのですが、今回はフードメニューに関しては一押しの「鹹酥雞(シェンスーチー)」を、そしてドリンクは台湾でオーソドックスな味の「タピオカミルクティー(特製二層ミルクティー)」をご紹介しようと思います。
鹹酥雞(シェンスーチー)って何?
さて、台湾旅行に行ったことのない方であれば「鹹酥雞」と聞いてもピンとこないと思うのですが、ざっくり言えばこの写真のような「揚げ物」です。
メニュー名に「鶏」の漢字が入っていますが、必ずしも鶏肉だけでなく、野菜から豆腐、魚介類など取り扱う具材は多岐にわたります。具材を揚げたあとに、香辛料をまぶした料理を総称して「鹹酥雞」と呼ぶと思っていただければOKです。
タビネクストでも過去に解説をしたことがあるので、より深く知りたい方はこちらの記事も併せてご覧ください。
タピオカセンターの「鹹酥雞」は9種類!
こちらがメニューなのですが、具材は9種類です。
日本でまず見かけない食材は7番の「豬血糕」と8番の「甜不辣」でしょうか?3番の「香腸」も、ぱっと見日本にもありそうなソーセージですが、味が全然違います。
ホントは9種類全部食べたいですが、台湾をめっちゃ感じたい方は3、7、8を選ぶのをおススメします。
僕は今回、この中から6種類を食べました。(台湾ソーセージは追加だったので、紙袋の中には5種類が入っています。)
注文した商品は、このように紙袋に入れて出されるのですが、このレトロなイラストの紙袋にまず感動する方も多いのではないでしょうか?
台湾の屋台メニューって、若干時代錯誤のイラストが描かれた耐油紙の袋に入れて提供されるんですよね。裏の注意書きもいい味出してます!
そして、現地だとこの紙袋を破って、広げて食べるのがオーソドックスな食べ方です。
じゃじゃーん!どうですかこのビジュアル。そしてこのボリューム!
ちなみに、これは台湾からあげ、インゲン、イカ団子、豚の血、台湾天ぷらの5種類です。
1人で5種類は若干多いかもしれませんが、食べきれなかったら持ち帰りもできるのでそこは安心して注文して下さいね。
袋を開けた時の香りには好き嫌いがあるかもしれないのですが、台湾好きな僕は袋を破って広がる香りにほんと感動しました。台湾旅行中に口にした食べ物の「あの」匂いなんです!
たぶん「五香粉」と呼ばれるやつだと思うんですが、台湾好きの方だとコロナで少なくとも2年半近くは行けてない訳ですから、感涙必死です。
では、僕が食べた6品について僕なりにレビューしたいと思います。
台湾天ぷら(甜不辣)
僕はまず一番初めにこれを口にしたのですが、口に入れた瞬間込み上げてくるものがありました(泣)
鹹酥雞の味って、台湾で買った弁当についている副菜や、揚げ物、煮物などあらゆるとこで口にする味なんですよね。言ってみれば、台湾にいたら自然と口にする味とでもいいましょうか?
なので、口にした瞬間に、舌を通じて脳の奥底から台湾滞在時の記憶が引っ張り出されたような感覚になったんです。
台湾だと鹹酥雞は夜食に食べる事が多く、台湾で夜中にやっている屋台って、だいたい「鹹酥雞」か「滷味」が多く、これらを食べながら、ゲストハウスの共用ラウンジで、夜中に台湾ビール片手に他愛もない話をしていた光景が頭によぎったんですよね。それで、なんともいえないノスタルジックな気持ちに僕はなったわけです。
さて、僕の思い出話は置いておいて(苦笑)、「甜不辣」について説明します!
見た目は「さつまあげ」の小っちゃくて細長い感じなんですが、日本の練り物よりももっと弾力があってモチモチしています。そして、ニンニクの味などしっかりした味付けがされていてそもそも「珍味」に近い印象です。
香辛料が効いた甜不辣はビールのあてに持って来いです!これは必ず食べたいですね。
豚の血(豬血糕)
そして、日本で食べれない食材のもう一つが「豬血糕」でしょう。
「豬」やら「血」やら仰々しい文字の羅列ではありますが、揚げてある豬血糕は「揚げ餅」や「揚げあられ」に近い食感と味です。
確かに豚の血は入っているのですが、台湾で食べた時もそうだったんですが獣っぽさはまず感じられません。台湾では蒸したやつを食べたのですが、揚げたやつに至ってはほんまに米感の方が強い食べ物です。
外側はパリッと、そして中はモチモチな「揚げ餅」です。見た目の仰々しさとは裏腹に、食べたら日本人でも抵抗なく食べられるクセのない味やと思います。
台湾からあげ(鹹酥雞)
台湾の屋台で「鹹酥雞」というと「popcorn chiken」と英訳されることが多く、指でつまめるような小ぶりのフライドチキンっていうのが多いです。そして台湾の夜市で単体で売ってるのはパサパサしててあまり美味しくないんです。
ところが、タピオカセンターの「鹹酥雞」は見た目は日本のから揚げです。から揚げ専門店とかで売ってるようなしっかりとした大きさがあるんです。
ところが、食べてみると衣はしっかり五香の効いた台湾味で、鶏肉も、一見醤油ベースの日本風か?って思うのですが、よくよく味わってみると「これ、鶏排の味やん!」っていうニンニクっぽい味がじゅわってくるんですよね。
見た目は日本のから揚げなのに、味はしっかりと台湾のから揚げなので、僕は食べていてなんとも不思議な感覚になりました。
台湾の巨大フライドチキンは胸肉を使っているので、あまり脂はない感じなのですが、こちらのから揚げはジューシーで白ご飯と一緒に食べてもいけそうな感じでした。
台湾現地には余りないけど、日本人好みで、でも味はしっかり台湾な面白いから揚げです。これもおススメです。
インゲン(四季豆)
鹹酥雞の味付けは全て同じなはずなのですが、インゲン豆は意外と塩味の方が感じられて、この中では「台湾っぽさ」が薄い感じの印象です。素揚げに近い感覚でした。
やはり肉と魚だけだとなかなかに重いので、「野菜なんて日本にもあるやん!」って僕は思ってたんですが、箸休め的な野菜は1つ入れておくのはおススメです。
野菜は3種類ありますが、インゲンが結構人気なようです。
イカ団子(花枝丸)
ふわふわした食感のイカ団子も台湾ではポピュラーな食材で、日本のおでんに入っている練り物にも近いと思います。揚げ物ではありますが、割とあっさりした味です。
台湾ソーセージ(香腸)
写真の右側の銀色の皿に載っているのが「台湾ソーセージ」です。
日本のソーセージとは異なり、甘みがあるのが特徴。タピオカセンターでは「台湾ソーセージ」は台湾の老舗ブランドである「黒橋牌香腸」を使用しています。
日本ではソーセージは焼くことはあっても揚げる事ってあんまりないと思うのですが、この揚げたソーセージは甘さと塩味のどっちもあって、日本のソーセージよりも肉々しさを感じます。しっかりお肉食べてます!っていう感じの味で、見た目以上の食べ応えがあります。
この甘さもあるソーセージも日本では味わえない味なので、是非トライしていただきたいです。
モチモチのタピオカが美味しいタピオカミルクティーもまさに「台湾の味」
タピオカセンターは元々はタピオカドリンクのお店であるという事もあり、ドリンクメニューも豊富です。
定番のタピオカミルクティーから、台湾ではポピュラーな「タロイモ」を使ったドリンクや日本では見られない「ヤクルト緑茶」もあります。また、抹茶を使った日本人向けのメニューもあります。
今回は台湾でスタンダードな味と言う「特製二層ミルクティー(メニュー中6番)」を飲みました。
見た目が映えそうなこの飲み物は「ミルクティーになる前の姿」で(笑)下がミルクの層で、上が紅茶の層なんです。そして、飲む前にしっかり上下さかさまにして全体を混ぜてから飲みます。
基本的にはお店が美味しく飲める甘さと冷たさで提供してくれますが、台湾同様甘さと氷の量は調整可能とのことです。
そして、僕が飲んだ瞬間に感じたのが「あっ、暑い中で飲んだ50嵐や!」
「50嵐」というのは、台湾に点在しているドリンクスタンドで、台湾旅行に行った時に訪れた方も多いと思います。
この写真は高雄で2018年に撮ったものですが、ミルクティーを飲んだ時にまさに上の写真の情景が頭に浮かんできたんです。
これがどういうことかというと、タピオカセンターのタピオカミルクティーは台湾で飲んだ味と同じってことなんです。そうじゃないと、記憶がフラッシュバックしたりしません。
コロナになってからタピオカミルクティーは日本国内でも飲みましたが、タピオカが固かったり、甘さが微妙だったりと「こんな味じゃないなぁ」とは思っても台湾を思い出すことはありませんでした。
ポイント1 台湾から輸入した乾燥タピオカを煮て提供
まず、2019年に突如湧いた突貫工事のタピオカ屋は冷凍品を使っていることが多く、それだとタピオカに芯が残って固くなり、味もタピオカに染みにくいそうです。
タピオカセンターでは乾燥タピオカを煮てタピオカを作っています。上手に煮るのは結構難しいそうなんですが、乾燥タピオカから作るとモチモチの食感(台湾ではQQという)と味がしっかり染みたおいしいタピオカが作れるそうです。
ポイント2 台湾から輸入した茶葉を使用
茶葉も台湾製造のものを使用しています。ちなみに二層ミルクティーの茶葉はセイロンティーです。
ポイント3 台湾から輸入したミルクパウダーを使用
そしてこれが一番のポイントだと思うのですが、台湾のミルクティーってミルクパウダー(奶粉)を使用したものと、牛乳(鮮奶)を使用したものの2種類あるんです。
おそらく、日本のミルクティーは100%牛乳を使用したものだと思うのですが、タピオカセンターの全てのミルクティーは台湾から輸入したミルクパウダーを使用しています。
これが、台湾で飲んだあの「さらっとした飲み口」のミルクティーの一番の秘密かな?と思います。
以上、タピオカセンターのご紹介でした。お店の雰囲気も含めてかなり台湾テイストがあるので、台湾好きの方は是非!まだ台湾に行ったことのない方は予習がてら是非訪れてみて下さい。