みなさんは「台湾」でどんな言葉が話されているかご存知ですか?
僕ははじめて台湾に行くまで、台湾人なんだから「台湾語」をしゃべってるんだろうと漠然と思っていたのですが、じゃあその「台湾語」って何?って聞かれたら、「う~ん、やっぱり中国語?」って感じでよくわかっていませんでした。
結論から言うと、台湾で広く話されているのは「台湾華語」か「台湾語」です。
「台湾華語」はいわゆる「中国語」と基本的には同じなのですが、中国大陸とは異なる漢字を使用して、部分的に発音も違ったりと、日本人が日本で学んでいる「中国語(普通話)」とは結構異なります。
「台湾語」は台湾の中だけで話されている言葉で、中国語とは全く別物と考えてもらってOKです。
僕の個人的な感覚では、お年寄りの台湾語使用率は高く、台北よりも台南・高雄の方が台湾語の使用率が高い気がします。
台湾旅行中に「中国語」ではなく「台湾語」で挨拶をオススメする理由
台湾を旅行するのであれば、中国語(台湾華語)のかんたんな挨拶をいくつか覚えておけばOKですし、なんなら「ありがとう」という言葉を知らなくても、笑顔でお礼をすれば相手にはその意志は通じると思います。
じゃあ、なぜ、あえて「台湾語」の挨拶を取り上げるのか?
例えば、大阪人の僕にとって、海外の人がいきなり「おおきに」とか「まいど!」とか話したらと「えっ?」って感じて、「なんでそんな言葉知ってるの??」って一気に相手に親近感を感じてしまいます。
これと同じことが、日本人が台湾語を話すと起きると僕は思っています。
台湾語って台湾独自の言葉ですから、中国語が話せない短期旅行者がいきなり台湾語で挨拶すれば、台湾の人にとってみれば「えっ?なんでこんな言葉知ってるの??」ってすごく驚いてしまうわけです。
とはいえ、台湾旅行のために「台湾語」を勉強してもたぶん役に立たない
いくつかの簡単な挨拶限定で言えば、日本人が台湾語のあいさつを知っていることは、つかみとしてはすごくいいし、旅先での楽しい時間を過ごすのに役立つのは間違いありません。
でも、あくまでも台湾でメインに使われているのは「台湾語」ではなくて「台湾華語」です。
なので、短期の台湾旅行に備えて台湾語を勉強するというのは、正直にいうと的外れな努力なので、台湾旅行中に役立つ外国語を学びたいのなら、台湾華語(中国語)について学ぶべきです。
当ブログでは、2019年の9月から「台湾夜市グルメ紹介」と題して、夜市メニューのカタカナ読み方や食べ物の紹介、注文方法などを紹介してますし、多くの記事で豆知識として中国語の解説もしております。
とはいえ、中国語のすべてをこのブログだけでカバーはできませんので、旅行の際にはなんらかの単語集や中国語会話本があれば安心です。
ところが、日本で売っている中国語会話の本の95%は「中国で使われている中国語」に関しての本で、台湾では使われていない簡体字で書かれています。
冒頭でも触れたように、中国語と台湾華語は違うことが多く、しかも、台湾の多くの人が嫌っている中国の言葉で書かれた本を見せられて、台湾人の方たちがいい気分になるとは思えませんよね…。
なので、台湾旅行に行かれる際にはこのブログの知識の他に、簡単な台湾華語の会話本があれば、より安心して楽しい台湾旅行ができると思います。僕も、この本は初めての台湾旅行時に持って行き、何かと役に立ったのでご紹介しておきます。
巻末には単語集もついているので、持って行くと「旅行の安心感」も得られる一冊です。
また、僕が台湾滞在中にどのように「指さし会話帳」を使ったのかをこちらで説明しているので、台湾旅行中の会話について知りたい方は合わせてお読みください。
台湾語で「おいしい」:「好呷!(ホージャー)」
「おいしい」という意味の中国語「好吃(ハオチー)」は中国語に詳しくない方でも聞いたことがあると思います。
台湾華語だと(ハオツー)という発音になります。台湾ではピンインの「chi(チ)」を反り舌で読まないので、「ci(ツ)」の音に近くなります。
さて、その「おいしい」という意味の台湾語は「好呷(ホージャー)」と言います。
本によっては「ホウチャ」「ホッチャ」などの表記もあると思いますが、どれで言ってもOKです。
以前、淡水のお店で僕がご飯を食べた後に、お店の人に「ホッチャ」って言ったら、初めは僕の発音が正しくないのか通じませんでしたが、何回か言っているうちに意味が通じたようで、お店のおばちゃんはちょっと驚いたように笑ってくれました。
ただそれだけの事なんですが、こういう事って写真に残しているわけでもないのに、数年経った今でも、その光景をハッキリ覚えているんですよ。
ですので、ホント些細なことなんですが、こういう経験ってすごく素敵だと僕は思うので、是非とも台湾の旅を彩るツールとして皆さんにも知ってもらいたいなと思い、こうやって書いているわけであります(笑)
台湾の生活に溶け込む「おいしい」と「イチバン」
台湾でご飯を食べると、高確率で内側に「おいしい」って書かれたプラスチック製の皿やどんぶりに出会います。
使っている方々が、この日本語の意味を理解しているのかどうかわかりませんが、日常に溶け込んだこの「おいしい」っていう平仮名を目にすると、思わず旅先で日本を思い出して僕はほっこりした気持ちになります。
また「おいしい!」って伝えたい時に、親指をたてながら「イチバン!」って日本語で言っても意味は通じます。
なぜかというと、中国語で「一級棒(Yījí bàng)」という言葉があり、これは日本語の「一番(いちばん)」から来ており意味もそのままです。
お土産屋さんなどで、相手が日本人ってわかったら「イチバン!」って言いながらお店の人が商品を勧める光景をよく目にしますよ。
台湾語で「こんにちは」:「呷飽没?(ジャバーベ?)」
「呷飽没?(ジャバーベ)」は直訳すると「ご飯を食べましたか?」という意味なのですが、これが台湾では「こんにちは」的な意味だそうです。
なぜ伝聞形で書いたかというと、僕自身がまだ台湾でこの言葉が交わされている場面に出会ったことがないからです。僕がこれを使った時には、意味は通じたのですが、本当に食事の有無の確認になってしまいました(笑)
ちなみに、この挨拶に対する回答は
- 「呷飽啊(チャッパァ)」:食べました
- 「猶末呷(アベチャ)」:まだ食べていません
になります。
「你好(リーホー)」よりも「哈囉(ハロー)」の方が一般的?
中国語で「こんにちは」と言う意味の「你好(ニーハオ)」。これも知っている方は多いと思いますが、台湾語では同じ漢字を書きますが、読み方は(リーホー)となります。
しかし、「你好」は、地下鉄や百貨店の自動アナウンスや接客の場面ではよく聞くものの、街中で耳にすることはあまりない感じがします。
街中で聞こえるのは「哈囉(ハロー)」の方が圧倒的に多くて、これはまさしくHello(ハロー)なのですが、宿のスタッフがゲストに声をかける時も、街中で待ち合わせしている人達が交わす言葉もこちらの方が多いと思います。
また、台湾だけでなくて香港でもそうなのですが、お店で買い物をした後に、特に若い店員さんはお客さんに「拜拜(バイバイ)」と言っていると思います。
僕はこれを言われたときに、いつも反射的に手を振りながら「バイバイ」と返してしまうのですが、この「バイバイ」は日本でいうところの「(ご利用・ご来店)ありがとうございました」の意味なので、毎回手を振り返す必要はありません(笑)。
台湾語で「ありがとう」:「多謝(ドーシャー)」
中国語でありがとうは「謝謝(シエシエ)」と言いますが、それを台湾語で言うと「多謝(ドーシャー)」となります。
台湾のガイドブックのワンポイント会話などで「多謝」はよく目にするのですが、僕はまだ街中などで耳にしたことはありません。圧倒的に「謝謝」の方が実際に使われています。
もっと「台湾語」を知りたい・学びたい方へ
僕に関して言うと、「台湾好きなら台湾語を話せるようになりたい!!」と意気込んで2年前に台湾語の本も買ったのですが、現在は中国語の学習のみを行い、台湾語学習はしなくなりました。
僕は香港も好きで広東語も学びたいのですが、欲張ってしまうと全て中途半端になっちゃいそうなので、中国・台湾・香港で通じる「中国語」をまずは学ぶべきだと判断しました。
日本でも台湾語の本はいくつか出ていますが、当時僕が使っていたのはこの本です。
気に入ってるポイントとして、書籍だけでなく付属のCDも日本語→台湾華語→台湾語が収録されており、このCDだけでも学習できる点です。台湾語の発音は四声だけの中国語よりもさらに複雑なので、音声は必須だと思います。